中学受験

完全中高一貫化とは。高校募集廃止が進む

完全中高一貫化
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こんにちは、そしてこんばんは、ぽこたろうです。

中高一貫校の生徒募集は一般的に、中学募集(中学入試)および高校募集(高校入試)で行われます。

しかし近年、高校での募集が廃止される、つまり高校入試を実施しない「完全中高一貫化」が進んでいます。

ぽこたろう
ぽこたろう
中学入試しか実施しないということですね

「完全中高一貫化」とはどのようなもので、中学受験にはどのような影響があるのでしょうか。

調べてみると、無視できない大きな影響があることが分かりました。

今回は「完全中高一貫化」とは何か、中学受験にどのような影響があるのか、について見ていきたいと思います。

完全中高一貫化とは:中学受験・高校受験・大学受験に影響がある

完全中高一貫化」とは、高校入試での生徒募集を廃止し、中学入試のみで生徒を募集することです。

つまり完全中高一貫の学校は、中学受験をしなければその学校に入学できない、ということです。

「中学は地元の公立に進学して、高校受験で志望する学校を目指そう」と思っていても、その学校が完全中高一校であれば入試を受けることすらできない、ということになります。

入学するには中学受験をするしかない、ということですね。

現在、完全中高一化している学校が少なくなく、その影響で特に首都圏においては、高校から入学できる難関校が少なくなってきています。

首都圏における、現在の完全中高一貫校をいくつか紹介します。

偏差値は四谷大塚の偏差値表もしくは日能研の偏差値表を参照しています。

男子校の完全中高一貫校

地域学校名偏差値
東京麻布68
東京駒場東邦66
東京武蔵64
東京海城64
東京早稲田64
東京59
東京本郷58
東京攻玉社56
東京東京都市大学付属55
東京暁星54
東京高輪52
東京成城50
東京獨協44
神奈川聖光学院70
神奈川浅野64
神奈川栄光64
神奈川サレジオ学院61
神奈川逗子開成57

女子校の完全中高一貫校

地域学校名偏差値
東京桜蔭71
東京女子学院69
東京雙葉68
東京白百合学園64
東京吉祥女子62
東京鷗友学園女子61
東京頌栄女子学院61
東京立教女学院61
東京学習院女子58
東京香蘭女学校58
東京東洋英和女学院58
東京大妻54
東京恵泉女学園54
東京共立女子52
東京品川女子学院51
東京田園調布学園51
東京晃華学園50
東京東京女学館49
東京富士見49
東京普連土学園49
東京山脇学園47
東京大妻中野46
東京光塩女子学院45
東京昭和女子大学附属昭和45
東京三輪田学園41
東京跡見学園40
東京大妻多摩40
東京女子聖学院40
東京実践女子学園38
神奈川洗足学園65
神奈川フェリス女学院65
神奈川湘南白百合学園57
神奈川横浜共立学園56
神奈川横浜雙葉55
神奈川鎌倉女学院53
神奈川清泉女学院46
神奈川カリタス女子43
神奈川聖園女学院41
神奈川神奈川学園40
神奈川横浜女学院40
埼玉浦和明の星65

共学校の完全中高一貫校

地域学校名偏差値
東京都立 小石川男子67 女子67
東京都立 武蔵男子62 女子65
東京都立 桜修館男子60 女子62
東京都立 三鷹男子58 女子58
東京都立 南多摩男子58 女子58
東京都立 立川国際男子57 女子59
東京都立 富士男子57 女子59
東京国立 東京学芸大学附属国際男子55 女子55
東京国立 東京大学教育学部附属男子50 女子52
東京千代田区立 九段男子58 女子60
東京渋谷教育学園渋谷男子66 女子69
東京穎明館男子44 女子45
神奈川神奈川大学附属男子58 女子60
神奈川青山学院横浜英和男子53 女子56
神奈川公文国際学園男子52 女子54
神奈川森村学園男子49 女子51
神奈川湘南学園男子49 女子50
神奈川桐蔭学園男子49 女子50
神奈川自修館男子40 女子41
神奈川神奈川県立 相模原男子61 女子62
神奈川神奈川県立 平塚男子57 女子59
埼玉さいたま市立 大宮国際男子54 女子55

見てみると、こんなにあるの!?という印象です。

ここに挙げただけでも81校(男子校18校、女子校41校、共学校22校)あり、特に女子校では完全中高一貫校が多いですね。

もし上記一覧の学校を志望する場合は、中学受験をするしかありません。

気をつけたいのは

完全中高一貫校が多い」=「高校受験できる学校が少なくなる」

ということです。

よく見てみると、難関校・中堅校の学校が多いですね。

中学を公立に進んだ場合、高校受験ではまず公立高校を志望することが多いと思いますが、併願校として私立高校を受験すると思います。

私立の難関校・中堅校で完全中高一貫校が多いと言うことは、難関・中堅の公立高校の併願校として適している(偏差値が近い)私立学校が少なくなる、ということを意味します。

併願校として受験できる私立高校の偏差値が1段ないしは2段下がる場合、仮に公立高校で不合格になると、持ち偏差値より低い私立併願校に通うことになりますので、大学受験で難関校を目指すのが大変になるかもしれません。

ぽこたろう
ぽこたろう
つまり、高校受験するより中学受験をした方がよいのかな

そう思う方も多いのではないでしょうか。

完全中高一貫化は、中学受験・高校受験そして大学受験までも影響する重要なテーマであることが分かります。

近年の動向:完全中高一貫校が増えていく傾向

今後、完全中高一貫化を予定している学校もあり、「完全中高一貫化」がさらに加速すると言われています。

完全中高一貫化を予定している学校は以下です。(偏差値は四谷大塚の偏差値表を参照)

完全中高一貫化を予定している学校

  • 豊島岡女子(偏差値70) 2022年から
  • 都立 両国(偏差値 男子60 女子63) 2022年から
  • 都立 大泉(偏差値 男子60 女子60) 2022年から
  • 都立 白鷗(偏差値 男子57 女子59) 2023年から
  • 渋谷教育学園幕張(偏差値 男子70 女子72) 未定

都立校の完全中高一貫化が目立ちますね。

高校受験できる都立校が減ってしまいます

また、都立・私立どちらも難関校ばかりですので、高校受験の私立難関校の併願が、ますます難しくなりそうです。

中学受験への影響:新たに完全中高一貫化する学校では、格倍率が下がるのを期待

「完全中高一貫化」の特徴や近年の動向を見てきましたが、中学受験にどのような影響があるのでしょうか。

新たに「完全中高一貫化」する学校の影響

  • 高校での募集が無くなるため、中学受験での定員が増える
  • そのため、合格倍率も下がる可能性がある

実際に、「完全中高一貫化」前後の合格倍率を見てみましょう。

学校名完全中高一貫化前
合格倍率(年度)
完全中高一貫化後
合格倍率(年度
都立 富士5.1(2020)3.1(2021)
都立 武蔵4.1(2020)3.0(2021)
本郷3.2(2019)2.6(2020)

本郷の完全中高一貫は2021年からですが、2020年より定員が増えていますので、その前後で比較しています。

サンプル数は少ないですが、完全中高一貫化前後(定員増加前後)で、合格倍率が下がっていますね。

もちろん、合格倍率はその年の受験状況により変化するため、完全中高一貫化により必ず合格倍率が下がるとは言い切れません

また、「高校で入学できなくなるため、増えた定員よりも志望者数が多くなる」というような要因により、合格倍率が逆に高くなる可能性も否定できません

いずれにしても、受験動向に影響があることに変わりはないでしょう。

このような動向の変化は、模試の結果(受験者数、志望者数、偏差値)からも見えてくるものがありそうですね。

来年の完全中高一貫化の学校(豊島岡、都立大泉、都立両国)では、合格倍率が下がるのを期待して再来年度以降の完全中高一貫化の学校(都立白鷗、渋谷教育学園幕張)では、来年の結果を踏まえて今後の動向を見極める

そういう動きになりそうです。

一方で、中学受験全体への影響としては、「完全中高一貫化」が進めば進むほど、高校受験を回避し中学受験にシフトする、という動きになることが予想されます。

難関・中堅校を中心として、高校受験時の私立併願の選定が難しくなるのがその理由ですね。

中学受験にシフトした受験生が、新たに「完全中高一貫化」する学校ではなく、別の学校を志望することは十分あり得ます。

すると結果として、他の学校の受験動向に影響が出る可能性があります。

まとめ:「完全中高一貫化」が進むと、中学受験の志望者が増える可能性あり

「完全中高一貫化」とは何か、中学受験にどのような影響があるのかについて見てきました。

「完全中高一貫化」と中学受験への影響

  • 「完全中高一貫化」とは、高校からの生徒募集を廃止し、中学入試のみで生徒を募集すること
  • 高校受験できる学校が少なくなるため、高校受験での難関・中堅私立学校への併願校選定に影響あり
  • 「完全中高一貫化」は今後さらに加速する傾向がある
  • 中学受験への影響として、新たに完全中高一貫化する学校では、一貫化の前後で合格倍率が下がっているが、今後の影響は見極めが必要
  • 「完全中高一貫化」が進めば進むほど、高校受験を回避し中学受験にシフトする動きが予想され、全体の動向にも影響が出る可能性あり。

「完全中高一貫化」は、中学受験だけでなく、高校受験そして大学受験までも影響する重要なテーマですね。

進学先の検討は子ども本人の希望を最優先としつつも、ご家庭の方針としてどのような受験戦略を描くか、「完全中高一貫化」の動向を踏まえて検討しておく価値は十分にあると思います。

そもそも中学受験をするのかどうかについてお悩みの場合もあると思います。

中学受験に関するテーマについて以下の記事でまとめていますので、是非ご覧ください。

中学受験ってどういうもの?まずは知っておきたい5つのこと

「中学受験は親の受験」と言われている理由。親のサポートなしでは受験に挑めない

中学受験する?しない?本人の希望が第一

いつから塾に通う?3年生の2月からが主流

中学受験の偏差値の実態。高校受験の偏差値とは大きく違う

以上、完全中高一貫化とは。高校募集廃止が進む、についてでした。

中学受験の長い旅路に、少しでも参考になれば嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

それでは、また。

参考:中学受験でオススメの本

さいごに参考として、中学受験でオススメの本を紹介します。

どれも一読しておきたい有用な本です。

中学受験 基本のキ!

中学受験 基本のキ!」は、「なぜ中学受験をするのか?」という最も大事なところから、塾選び・学校選び・学年別の過ごし方・勉強方法等、中学受験における基本的な情報がギッシリ詰まっています

これから中学受験を考えるご家庭も、中学受験を始めているけどまだ読んでいないご家庭も、読んでおいて損はないでしょう。

中学受験は親が9割

中学受験は親が9割」は、中学受験の合否を決める9割が親にかかっているという意味で、家族の協力無しには中学受験は成功しないということを表しています。本書では中学受験の最新事情から、親がやるべき習慣・やってはいけない習慣、合格に向けて親が取り組むことについてまとめられています。

「中学受験 基本のキ!」と同様、読んでおいて損はない1冊です。

二月の勝者 -絶対合格の教室ー

二月の勝者 -絶対合格の教室ー」は、ドラマ化もされている人気漫画で、中学受験の世界がリアルに描かれています。物語の展開に合わせた心情が、受験する子ども目線だけではなく大人(保護者)の目線でも描かれており、親の立場として感じるであろう気持ち(期待・迷い・不安・葛藤)をリアルに感じることができます。

漫画なので、親子で読んで気持ちを共有することもできますね。中学受験がどういうものかを知るには、オススメの漫画です。

中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ

中学受験をしようかなと思ったら読むマンガ」は、中学受験の始めから合格後までをシミュレーションできる漫画です。「中学受験のウソ?ホント?」と題したコラムも書かれており、中学受験を始めるにあたって気になるポイントも押さえることができます。

漫画でかつ1冊で完結しており気軽に読むことができますので、ます最初に読んでみるのがよいでしょう。